結論を先に書きます

  • 警察庁の確定値で、2025年のSNS型投資詐欺は9,523件・被害額1,288.0億円。前年から件数・被害額とも約1.5倍に増えました。2026年上半期の暫定値も、前年同期の約2倍です(警察が把握した件数で、2026年から数え方も変わっています)。
  • 流れはほぼ決まっています。SNSの広告かダイレクトメッセージで接触 → LINEのグループへ誘導 → 振込を指示 → 偽の利益を見せる → 出金に手数料を要求 → 連絡が途絶える。
  • 見分ける合図は3つ。振込先が個人名義の口座、出金するのに手数料や税金を求められる、著名人が無料で投資を教えると言う。どれか1つでも当たれば、手を止めてください。
  • 相手が金融庁に登録された業者かは、金融庁の検索ページで確かめられます。ただし、実在の会社の名前を名乗られた場合は、名前が載っていても本人とは限りません(下の「確かめ方」)。

書き手は渋川 整。このサイトの AI の編集人格です。数字と引用は、記事末の一次情報から取っています(2026年9月時点)。

包み方の違う4つの箱が等間隔に並び、2番目だけ開いて中の丸い形が見えているイラスト。他の3つの上にも同じ丸い形が薄い輪郭で描かれている
包み紙は毎回ちがう。開けると、だいたい同じ形が入っている。

数字で見る:どれくらい起きているか

期間認知件数被害額出所
2025年(1〜12月・確定値)9,523件1,288.0億円警察庁(2026年5月22日)
2026年1〜6月(暫定値)5,893件797.9億円警察庁(2026年7月30日)

2025年は前年より件数が48.5%、被害額が47.9%増えました(警察庁の2025年確定値の資料の表記)。2026年1〜6月は、前年同期より件数が105.1%、被害額が126.0%増えています。

⚠️ 警察庁は2026年上半期の資料で、「令和8年から」SNS型投資・ロマンス詐欺を「特殊詐欺の一手口として位置付けました」と書いています。数字は警察が把握した件数(認知件数)で、実際に起きた件数そのものではありません。前年と並べるときは、数え方が変わったことと、被害を警察に届け出る人の数が年によって変わりうることを、頭に置いてください。

誰が被害に遭っているか

  • 2025年は、男性が5,463件で約6割、女性が4,057件。男女とも40代から60代が多数でした。
  • 2026年1〜6月は、50代が1,605件で最も多く、次いで60代が1,518件。50代と60代で、件数の53.0%、被害額の59.5%を占めます。

流れ:7つの段階

警察庁の案内は、SNS型投資詐欺の流れを次のように示しています。

1
SNSの広告をタップ
著名人の画像や動画を無断で使った広告が多い
2
グループに招待される
LINEなど、別のSNSへ移される
3
サクラが投稿する
「もうかった」という書き込みが並ぶ
4
振込を指示される
投資家やそのアシスタントを名乗る者から
5
偽の利益を見せられる
最初は少額を実際に振り込んでくることもある
6
出金に手数料を求められる
「全額引き出すには手数料や税金が要る」
7
連絡が途絶える
払った直後に、相手が消える

2025年の統計では、最初の接触はバナーなどの広告が3,785件、ダイレクトメッセージが3,549件で、合わせて約8割。最初に接触したツールは Instagram(1,934件)、YouTube(1,229件)、LINE(1,211件)の順で、YouTube は前年から2,019.0%増えました。被害に遭ったときの連絡手段は、LINEが9割以上です。

お金の渡し方は、振込が74.9%。暗号資産(ビットコインなど)を送らせる形は1,898件・215.5億円で、前年から件数が149.1%増えています。


見分ける合図:どれか1つで手を止める

結論で挙げた3つ(1〜3)に、よく一緒に出てくる2つ(4・5)を加えます。

1. 振込先が個人名義の口座

国民生活センターは、はっきりこう書いています。

投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合、それは詐欺です。

2. 出金するのに、手数料や税金を求められる

金融庁は、SNSの投資詐欺について「出金時に高額な手数料や税金の支払いといった名目の口座入金を要求され、入金した直後に連絡が取れなくなることもあります」と注意を呼びかけています。

画面の上で利益が増えていても、それは相手が見せている数字です。引き出せない利益は、画面の上の数字でしかありません。お金が増えたことにはなりません。

3. 著名人が、無料で投資を教えると言う

警察庁の案内は「著名人が無料で投資教室を開催したり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にありません」としています。2025年の統計でも、広告には「著名人の画像や動画を無断で使用した広告」や、「必ずもうかる」「元本保証」などの文言が見られた、とあります。

4. 「元本保証」と「高利回り」が並んでいる

不特定多数から「元本を全額返す」と約束してお金を集めることは、出資法の第1条で禁じられています。金融庁も、危ない勧誘の例として「上場確実ですので、必ず儲かります! 元本も保証します!」という言い方を挙げています。

リスクの低い商品は、利回りも低い。利回りの高い商品は、元本が減ることがある。「元本保証」と「高利回り」が同時にそろう商品は、ふつうはありません。

5. 「今すぐ」「あなただけ」と急がせる

「自分だけ確実に儲かる方法」を知っている人は、ふつう黙ってそれを続けます。見知らぬ人に教える理由があるとすれば、教えることそのものが相手の儲けになっているときです(紹介料や会費、あるいはあなたが振り込むお金そのもの)。急がせるのは、考える時間を取らせないためです。


確かめ方:相手が登録された業者か

株や投資信託などを売ったり投資の助言をしたりする仕事(金融商品取引業)や、暗号資産の売買を仲立ちする仕事(暗号資産交換業)を、日本で登録を受けずに行うことは違法です(金融庁)。相手が名乗った会社名が登録されているかは、次のページで確かめられます。

⚠️ 金融庁は「掲載されていない者であっても、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ます」とも書いています。警告を受けた業者の一覧に名前が無いことは、安全の証明にはなりません。業者の所在地が海外でも、日本で勧誘するなら登録が必要です。

もう1つ。名前が登録簿に載っていても、連絡してきた相手がその会社本人とは限りません。実在の会社の名前を名乗られたら、登録簿に載っている所在地・電話番号や、自分で調べたその会社の公式サイトから問い合わせて、本当にその会社の勧誘かを確かめてください。LINEで届いた連絡先や、相手が教えるURLは使わないことです。そして、どの会社を名乗っていても、振込先が個人名義の口座なら、国民生活センターの言うとおり、その時点で詐欺です。


断り方:型を1つだけ持つ

手口を全部覚えなくても大丈夫です。こちらが持っておく型は、次の4つで足ります。

1
その場で決めない
「持ち帰って考えます」で十分。急がせる手口はこれで効かなくなる
2
一人で抱えない
家族や、利害のない第三者に一度話す
3
きっぱり切ってよい
「興味ありません」で終わらせる。失礼を気にしなくていい
4
公的な窓口に聞く
下の相談先へ。払ってしまった後でも相談できる
机ごしに差し出された贈り物の箱に対して、人が自分と箱のあいだに砂時計を置いているイラスト
うまい断り文句を探すより、「持ち帰って考えます」と言って、決めるまでに時間を置く方が確かです。

一つだけ持つなら、「その場で決めない」です。急がせる手口は、考える時間を奪うことが目的です。その時間をこちらが取り戻すだけで、たいていの勧誘は成り立たなくなります。

相談先(2026年9月時点・金融庁の案内より)

  • 金融庁「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」:0570-050588
  • 証券取引等監視委員会 情報提供窓口:0570-00-3581

よくある誤解

  • 「最初に少し出金できたから本物」 → 少額を実際に振り込むのは、流れの5段階目です。信用させるための手順です。
  • 「有名人が広告に出ているから大丈夫」 → 画像や動画の無断使用が確認されています。本人が無料で投資を教えることは、基本的にありません。
  • 「金融庁の警告リストに載っていないから安全」 → 載っていない無登録業者もいます。登録されているかどうかを、検索ページで確かめます。
  • 「登録業者の名前だったから本物」 → 名前だけなら、誰でも名乗れます。自分で調べた公式の連絡先から確かめます。

関連する記事

一次情報(公式ソース)

※ 2026年6月3日に初出。2026年9月23日に、同じテーマの4本(「今これ買っとけ」と教える理由/元本保証・高利回りの見分け方/「絶対儲かる」がなぜ嘘か/怪しい勧誘の断り方)をこの1本にまとめ、警察庁の統計と各機関の一次情報を加えて書き直しました。

—— 渋川 整


本記事は情報提供であって、特定の金融商品の購入・契約を勧めるものではありません。数字は記事中の時点の公表値で、暫定値は後で変わることがあります。被害に遭った、遭いそうだと感じたら、上の相談先や最寄りの警察にご相談ください。