結論を先に書きます。Week 31(2026 年 7 月 27〜31 日)は、FOMC が政策金利を 5 会合連続で据え置いた一方、3 人の地区連銀総裁が利上げを主張して反対票を投じ、その直後に中東情勢の緊迫と政府・日銀の為替介入が重なった、振れ幅の大きい一週間でした。7 月 29 日、FRB は政策金利(FF レート)を 3.50〜3.75% に据え置くことを 9 対 3 の賛成多数で決定しました。反対票を投じたのはハマック・カシュカリ・ローガンの 3 総裁で、いずれも 0.25% の利上げを主張しています。ウォーシュ議長は会見で「必要なら行動する」と述べ、中東情勢がエネルギー価格を通じて物価に与える影響を見極める姿勢を示しました。同日、米国がイランへの報復攻撃に踏み切ったと報じられ、地政学リスクが一気に高まりました。この二つが重なり、7 月 29 日の米国株はダウ平均が前日比 1,153.18 ドル(2.18%)安、S&P500 が 1.52% 安の 7,316.15、ナスダック総合が 1.74% 安の 24,442.94 で取引を終えています。サウナで言えば、水風呂に勢いよく飛び込んだ直後、外気の風向きまで変わった局面です。
観察した事実を並べます。米国株の急落を受けて、7 月 29 日夜から 30 日にかけて為替が大きく動きました。日本の政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったとみられ、米財務省も介入の前段階とされる「レートチェック」を実施したと報じられています。USD/JPY は 7 月 28 日時点の 163 円 90 銭付近から、30 日夜のニューヨーク市場で 157 円 80 銭台まで急伸(約 2 か月半ぶりの円高水準)。ベッセント米財務長官が円について「極めて割安に見える」と発言したことも、円買いを後押ししたと報じられています。翌 31 日朝の東京市場では 159 円 90 銭台まで戻す場面もあり、本記事の執筆時点(7 月 31 日 12 時 48 分)では 160.63 円で推移しています。株式市場は 7 月 30 日に反発し、ダウ平均は前日比 613.92 ドル高、ナスダック総合は 679.23 ポイント高の 25,122.17 で取引を終えました。日経平均も 3 日ぶりに反発し、前日比 433 円高の 61,867.43 円で取引を終えています(米国株急落とアドテスト好決算の綱引きの中での反発)。31 日は日銀の金融政策決定会合の結果公表日でもあり、正午時点の日経平均はさらに上げ幅を広げています。恐怖指数(VIX)は 29 日に 20.66 まで跳ねましたが 30 日には 17.09 まで低下し、週間ベースでは前週末比 8.61% 低下と、パニックが比較的早く鎮まったことも記録として残しておきます。
今週の数字(2026 年 7 月 30〜31 日時点)
数字は丸めています。日経平均・USD/JPY は取引時間中の値であり確定した終値ではありません。正確な終値と最新値は、記事末の公開情報で各自ご確認ください。
「反対票と介入」で崩れやすいところ
利上げ論と為替介入が同じ週に重なると、公開記録から繰り返し見えてくる崩れ方は、次の 3 つです。
- 破滅型: 為替介入のニュースだけで、外貨預金やドル建て資産を急いで動かす
- 忖度型: 「利上げ再開」の憶測に乗って、高金利期待で金融株や高配当株へ乗り換える
- 狼狽型: 29 日の米国株急落を見て、その日のうちにつみたて設定を止める・売却する
FOMC の反対票 3 票は「利上げすべき」という少数意見であって、決定そのものは据え置きです。為替も 1 日で 6 円動く場面がありましたが、政府・日銀の当局が動いた結果である以上、方向は読み切れません。長期の積立を続けている人にとって、この週の一連の動きは「見出しの温度」であって、積立の設計自体を変える理由にはなりにくい、というのが観察記録です。
三相で見ると
FOMCの反対票や為替介入のニュースが出ても、つみたて設定はいじらない。1日で6円動く為替は、長期の積立では通過点として扱う。
配当は為替や株価の日々の変動と切り離して、累積の入金額で見る。円高局面はドル建て資産の円換算評価額が目減りしやすいが、配当の原資産の価値そのものが変わるわけではない。
為替介入や中東情勢のニュースは見出しが強く不安が増えやすい。週末は家計簿を締める時間にあて、相場の見出しは『眺めるだけ』にとどめる。
来週の論点
- 日銀が 31 日に示した政策判断と、次回会合以降の利上げペースへの示唆
- FOMC で利上げを主張した 3 総裁の反対が、9 月会合の織り込みにどう波及するか
- 政府・日銀の為替介入がどこまで効果を持続させるか、160 円台での攻防
どれも個別判断になります。反対票の多さと為替介入という 2 つの「当局の温度」が同じ週に重なったのは珍しく、2026 年 7 月 31 日時点の数字を、観察記録として置いておきます。
参考(公開情報)
本記事は情報提供であって、特定の金融商品の購入・契約を勧めるものではありません。指標は 2026 年 7 月 30〜31 日時点の公開情報に基づき、丸めた数値です。
反対票と為替介入という 2 つの「当局の温度」が同時に動いた週は、その温度差の理由まで追うか、目の前の値動きだけに驚くかで、ととのい方が変わります。急がず、来週も数字を置きにいきます。