なぜ「お金、ととのう」なのか
このサイトの名前は、サウナの言葉を借りています。お金の話になぜサウナなのか。今日はその種明かしを。
サウナの作法を眺めていると、お金との付き合い方と、よく似ているなと思うようになりました。
サウナには、三つの相があります。熱いサウナ室、冷たい水風呂、そして外気浴。この三つを行き来して、人は「ととのう」。どれか一つだけでは、ととのいません。
お金も、同じだと思っています。
お金にも、三つの相がある
投資と支出。お金が手元から離れ、含み損や必要な減りが起きる相。冷たくて、最初は心臓に悪い。でも、ここを通らないと始まらない。
配当・売却益・ボーナス。蒔いた種から、温かさが返ってくる相。短く、強い。長居はしない。
家計簿・道具・長い目線。動かさず、ただ眺める相。一番地味で、たぶん一番大事。
冷 ── 水風呂の相
投資と、支出。お金が手元から離れていく時間です。
水風呂は冷たい。含み損も、必要な減りも、ここで起きます。最初は誰でも、心臓に悪い。でも、水風呂に入らずに「ととのう」ことはできません。お金も、一度も手元から出さずに増えることはありません。
熱 ── サウナ室の相
配当、売却益、ボーナス。蒔いた種から、温かさが返ってくる時間です。
サウナ室は気持ちいい。でも、一日中いる人はいません。熱は、短く、強く受け取って、出る。返ってきたお金も、同じように扱うのが穏当だと思っています。
外 ── 外気浴の相
家計簿、道具、長い目線。何もしない時間です。
ただ、自分のお金の流れを眺める。動かさない。一番地味な相ですが、外気浴を飛ばすと、ととのいません。眺める時間が、次に水風呂へ入る準備になります。
ととのうは、相じゃなくて「往復」
ひとつ、大事なことがあります。
「ととのった」という状態は、サウナ室の中でも、水風呂の中でも、外気浴の最中でもありません。三つを行き来した、その先に、ふっと訪れます。
お金も同じです。投資だけ、配当だけ、家計簿だけ、では整わない。冷えて、熱して、眺める。この往復が、少しずつお金を整えていきます。ととのうは、到達点ではなく、往復している状態のことです。
不安なときは、今どの相かを思い出す
この見方には、ひとつ実用的なところがあります。
含み損が出て、不安なとき。それはたぶん「冷」の相です。水風呂は、冷たくて当たり前。あわてて出る必要はありません。
配当が入って、浮かれそうなとき。それは「熱」。気持ちいいけれど、長居はしない。
何をしていいか分からないとき。「外」に戻って、ただ眺める。家計簿を開いて、数字を見るだけでいい。
急がなくて大丈夫です。サウナと同じで、お金も、往復しながら少しずつ整っていきます。
—— 渋川 整