結論を先に書きます
確定申告ソフトは「どれが優れているか」ではなく、「どれが自分の手の動きに合うか」で選ぶものです。
個人事業の青色申告でよく名前が挙がるのは、freee会計/マネーフォワード クラウド確定申告/やよいの青色申告オンライン、この3つです。
3つとも、青色申告の65万円控除に必要な複式簿記の記帳に対応しています。差が出るのは、入力の作法と、画面の見え方です。
サウナで言えば、確定申告は水風呂に飛び込む局面です。冷たいけれど、入ってしまえば短い。合う道具を選べば、その時間はさらに短くなります。
確定申告の全体像(お金が出ていく経路の見落としを防ぐ話)は、別の記事で整理しています。重複を避けるため、ここはソフト選びに絞ります。経路の話は /posts/07-tax-money-out-routes/ を参照してください。
3社の整理
freee会計
簿記の用語を前面に出さず、「取引」を質問形式で登録していく設計です。借方・貸方を意識しなくても、画面の案内に沿って進められます。
簿記を学ぶ前から使い始めたい人、口座やカードの明細を自動で取り込んで仕訳まで進めたい人に向いています。一方で、簿記をすでに知っていて自分で仕訳を切りたい人には、独自の操作感が回り道に感じられることがあります。
マネーフォワード クラウド確定申告
会計の標準的な作法に近い画面構成です。仕訳の考え方を知っている人にとっては、見たままに入力できます。
家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を使っている人は、同じ系列でデータの流れがつながります。家計の見える化から確定申告まで一本で揃えたい人に向いています。簿記の知識がまったくない状態だと、用語に最初は戸惑うかもしれません。
やよいの青色申告オンライン
会計ソフトの老舗「弥生」のオンライン版です。画面が素直で、迷う箇所が少ない設計です。
初年度の費用を抑えて始めたい人、サポートに電話で相談したい人に向いています。プランによってサポート範囲や無料期間が変わるため、申し込み前に現在の条件を確認してください。
3社の比較
料金は3社とも年額数千円〜1万円台のプランが中心ですが、キャンペーンや初年度無料の有無で実額が動きます。金額は2026年6月時点でも変わりやすいので、必ず各社のサイトで現在の条件を確認してください。
あなたが今、こうなら
- 簿記をまだ知らず、とにかく進めたいなら:freee会計、またはやよいが向いています。
- すでに仕訳を切れる、または会計の作法に慣れているなら:マネーフォワードが手に馴染みます。
- マネーフォワード ME で家計を見える化しているなら:同系列のマネーフォワード クラウド確定申告で、データの流れがつながります。
- 初年度の費用を抑えたい、電話で相談したいなら:やよいの無料期間とサポートが向いています。
どれを選んでも、青色申告の記帳はできます。決め手は、自分が毎月触れる画面が苦にならないかどうかです。
なぜ簿記を一度学んでおくと確定申告が楽になるのか、その動機については /posts/25-boki-why-after-retiring/ に書きました。ソフトの自動化に任せきりにせず、用語の意味が分かると、入力の手が止まらなくなります。
最後に
合うソフトを選ぶと、確定申告は身構える行事ではなく、月末に少し触れるだけの事務に変わります。
3つとも無料で試せる期間が用意されていることが多いので、画面を実際に触ってから決めるのが確実です。スペック表より、自分の指が迷わないかどうかが、続くかどうかを決めます。
—— 渋川 整
本記事は情報提供であって、特定のソフトの契約を勧めるものではありません。料金・仕様は2026年6月時点で変わる可能性があり、税の個別の判断は税理士など登録のある専門家にご相談ください。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。