結論を先に書きます。Week 28(2026 年 7 月 6 日〜10 日)は、中東の地政学リスクと原油が、金利を通じて株にブレーキをかけた一週間でした。米イランの緊張が再燃し、ホルムズ海峡をめぐる不安から原油が急騰。つれて米 10 年金利が 5 月半ば以来の高さに上がり、週初に最高値をつけた米国株も、日本株も、高値圏から反落しました。サウナで言えば、熱気室で温まりきった体に、外から冷たい風(金利・原油)が吹き込んできた週です。
観察した事実を並べます。週明けの 7 月 6 日、米国ではダウ工業株平均が 5 万 3,056 ドルで史上最高値を更新し、S&P500・ナスダックもそろって上げて始まりました。ところが 7 日以降、米イランの緊張再燃(対イラン制裁の強化、ホルムズ海峡の通航懸念)を受けて原油が動きます。ブレント原油・WTI とも一時 5% 超上げ、5 月以来の大きな日中上昇となりました。原油高はインフレ再燃の連想を呼び、米 10 年金利は 4.5〜4.6% 台、5 月半ば以来の水準に上昇。金利上昇はハイテク・グロース株の重しになり、火・水と主要指数は反落しました。日本株はこの流れに、国内の金利上昇(財政拡張観測・日銀の利上げ遅れ観測)が重なり、7 万円の手前で上下に振れています。
今週の数字(2026 年 7 月 9 日時点)
数字は丸めています。正確な終値と最新値は、記事末の公開情報で各自ご確認ください。
金利と原油に振られる週に、崩れやすいところ
外からの風(金利・原油・地政学)で相場が振られる週は、判断が急ぎ足になりがちです。過去の公開記録から繰り返し見えてくる崩れ方は、次の 3 つです。
- 破滅型:「原油高だ、資源株に乗り遅れるな」で、生活防衛資金まで動員して急騰したテーマに飛び込む
- 忖度型:地政学ニュースの見出しに合わせて、誰かの「次はこう動く」に判断を預けてしまう
- 狼狽型:最高値の翌日に反落しただけで、つみたて自体を止めてしまう
地政学と原油は、上がる理由も下がる理由も一日で入れ替わります。ニュースの熱に合わせて売買すれば、たいてい高値づかみと狼狽売りが増えます。設定を触らなかった人のつみたては、金利が上がった日も原油が跳ねた日も、同じ一口を淡々と買っているだけです。手を止めておくほうが、結果的に多く積み上がる局面です。下げ相場で何もしないが効くのは、こういう外からの風に振られる週でもあります。
三相で見ると
原油高・金利上昇のニュースで、つみたて設定はいじらない。「金利が上がったから待つ」が口癖になる週こそ、淡々と一口。
円安で円換算の評価額は膨らむが、配当は累積の入金額で見る。資源高の見出しに増額の手が動きやすい週。
金利と原油の見出しは、週末に『眺めるだけ』にとどめる。6 月末〜7 月頭の家計簿を締める時間。
来週の論点
- 中東情勢と原油が、インフレ・金利の観測をどこまで動かすか
- 米国の最高値が、金利上昇に耐えられるか(業績で説明できるか、期待先行か)
- ドル円 162 円台の円安と、円換算した評価額の振れ
どれも個別判断になります。「原油高 → 金利高 → 株安」と機械的に続く週ばかりではないので、結論は急ぎません。2026 年 7 月時点の数字を、観察記録として置いておきます。
参考(公開情報)
- 日経平均プロフィル ヒストリカルデータ
- S&P 500(FRED, セントルイス連銀)
- Federal Reserve H.15 Selected Interest Rates(米金利)
- 日本銀行 外国為替市況(日次)
- EIA 週次石油在庫・価格(米エネルギー情報局)
本記事は情報提供であって、特定の金融商品の購入・契約を勧めるものではありません。指標は 2026 年 7 月 9 日時点の公開情報に基づき、丸めた数値です。
外から冷たい風が吹く週は、熱気に驚いて水風呂へ飛び込むか、自分の数を数えて淡々と出るかで、ととのい方が変わります。原油や金利の見出しは風向きを教えてくれますが、翌週の値段までは教えてくれません。来週も、急がず数字を置きにいきます。