結論を先に書きます。Week 38(2026年9月14日〜20日、本記事は9月17〜18日時点)は、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月17日午前(日本時間)、政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%とすることを決めたと報じられています。利上げは報道によれば約3年ぶりで、票は12対0の全会一致だったと伝えられています。同時に公表された金利見通し(ドットチャート)では、2026年末の想定中央値が4.1%(6月時点は3.8%)に引き上げられ、年内にもう1回の利上げを示唆したとも報じられています。「利上げ=引き締め=株安」という単純な図式で見れば警戒材料のはずですが、公開データを見ると、日経平均は前週末比+1.85%、S&P500・NASDAQ総合も9/10比でそろって上昇し、恐怖指数(VIX)は前週(9/10)比▼13.45%まで急落しました。利上げが決まった週に、株高と「恐怖指数の急落」が同居したという並びを、観察記録として置いておきます(この並びが因果かどうかは、この記事では判定できません)。サウナで言えば、熱気の部屋に入れられたはずなのに、なぜか汗がすっと引いていくような、少し落ち着かない局面です。
観察した事実
米連邦準備制度理事会(FRB)の公式サイトによれば、FOMC(米連邦公開市場委員会)は2026年9月15〜16日に開催されました。公開情報では、結果は9月17日午前3時(日本時間)に発表され、政策金利は0.25%引き上げられ3.75〜4.00%になったと報じられています。前回7月の会合では12人中3人が利上げを主張して反対票を投じていたとされますが、今回は全会一致だったと伝えられています。同時に公表されたドットチャートでは、2026年末の政策金利見通し(中央値)が4.1%(6月時点は3.8%)に上方修正され、年内にもう1回の追加利上げが示唆されたとも報じられました。
発表直後は、ドル円が155円付近から154円台へ急落する場面があったものの、全会一致とタカ派的なドットチャートを受けて反転したと報じられています。公開データで見ると、USD/JPYは9月18日時点(取引時間中)で157.09円、前週半ば(9/10)比▲1.69%の円安・ドル高です。金(先物)は発表前の水準から一時売られたと報じられていますが、9月18日時点(取引時間中)の水準は4,399.50ドルで、前週末(9/11)比▼0.21%とほぼ横ばいにとどまっています。
株式市場は、利上げという引き締め材料が出たにもかかわらず、週を通じて水準を上げました。日経平均は9月18日時点(取引時間中)で65,194.61円、前週末(9/11)比▲1.85%。米国市場もS&P500が7,637.76(9/10比▲0.61%、9/17時点、取引時間中)、NASDAQ総合が26,418.30(9/10比▲1.29%、9/17時点、取引時間中)とそろって上昇しています。米10年国債利回りは、9月17日の終値で4.947%でした。9/10比では▲0.06%の小幅な上昇です。直近52週のレンジは3.947%〜5.016%で、こちらはいずれも取引時間中の値=終値とは別の値です。不安の指標とされるVIXは9月17日終値で15.44、前週(9/10)比▼13.45%の急落です。ビットコインは9月18日時点(取引時間中)77,224ドルで、9/12比▼0.06%とほぼ横ばい、年初来では▼12.97%です。
今週の数字(2026年9月17〜18日時点)
数字は丸めています。米10年金利・VIX以外は取引時間中の値であり確定した終値ではありません。正確な終値と最新値は、記事末の公開情報で各自ご確認ください。
「利上げが決まった週に株高」で崩れやすいところ
このサイトでは、金融政策の節目で崩れやすいパターンを、次の3つに分けて整理します。
- 破滅型: 「利上げ=株安」という一方向の見立てで信用売りを仕込み、実際には株高だった値動きに巻き込まれる
- 忖度型: ドットチャートの「年内もう1回の利上げ」という見出しだけを鵜呑みにし、同じ週にVIXが急落している事実(=市場の不安自体はむしろ後退している)を読み飛ばす
- 狼狽型: 「約3年ぶりの利上げ」という言葉の強さに反応し、積立額や運用方針をその場で変える
利上げの決定そのものと、その週の株価・VIXの動きが逆方向に見える理由は、この記事の時点で確認できる公開データの対象外であり、報道の伝聞にとどめています。個別判断になります。何もしないという技術は、政策の節目とされる週にも同じように当てはまります。
三相で見ると
利上げという引き締め材料が出ても、株価は下がりませんでした。つみたてを続けている人にとって、この振れは『買う対象の価格が動いただけ』であり、政策の節目のたびに積立額や頻度を変える理由にはなりません。
配当・売却益を狙う人にとって、利上げは配当利回りの相対的な魅力を左右する材料として観察されます。ただし受け取る配当そのものの額(現地通貨ベース)は、政策金利のニュースと切り離して記録しておくと、見出しに気持ちを引っ張られにくくなります。
『利上げ』という強い言葉が出た週ほど、家計簿をつける手が止まりがちです。市場の記録は淡々と並べておき、家計簿はいつも通りのルーチンでつけておきます。
来週の論点
- 米10年国債利回りが4.9%台からどちらに動くか、5%台への再接近があるか
- ドットチャートが示唆した「年内もう1回の利上げ」の観測が、今後の経済指標でどう変化するか
- VIXの急落が一時的な安心なのか、落ち着いた地合いの始まりなのか
どれも個別判断になります。FRBが約3年ぶりに利上げを決め、それでも日米株が上昇しVIXが急落した一週間の記録を、2026年9月17〜18日時点で置いておきます。
参考(公開情報)
- Federal Reserve, FOMC会合日程・声明(連邦準備制度理事会)
- 【速報】9月FOMCは約3年ぶりの0.25%利上げを全会一致で決定(OANDA証券)
- 日本銀行 外国為替市況(日次)
- 日経平均プロフィル ヒストリカルデータ
- S&P 500(FRED, セントルイス連銀)
- 10-Year Treasury Constant Maturity Rate(FRED, セントルイス連銀)
- CBOE Volatility Index: VIX(FRED, セントルイス連銀)
本記事は情報提供であって、特定の金融商品の購入・契約を勧めるものではありません。指標は2026年9月17〜18日時点の公開情報に基づき、丸めた数値です。
FRBが約3年ぶりに利上げを決めた週でした。見出しの強さと、実際の値動きの向きがそろわない週ほど、急いで意味づけず、来週も数字を置きにいきます。