結論を先に書きます。Week 36(2026 年 8 月 31 日〜9 月 4 日、本記事は 9 月 3〜4 日時点)は、米FRBのウォラー理事が 9 月 3 日のオンライン講演で「8 月の物価指標でインフレ鈍化が確認できれば、9 月の FOMC で政策金利の据え置きを支持する」と述べたことをきっかけに、市場が織り込んでいた追加利上げの観測が後退しました。同時に日銀の利上げ観測も根強く、円が数日のうちに大きく買われる展開になっています。同じ「利上げ観測の後退」という材料に、資産ごとに違う反応が出た週を、観察記録として並べておきます。サウナで言えば、外気だけが急に冷え込み、屋内の温度はそれぞれの部屋でばらばらに動いた局面です。

観察した事実を並べます。USD/JPY は、公開データを見る限り 9 月 1 日時点の 160.20 円から、9 月 2 日の 158.92 円を経て、9 月 4 日時点では 156.33 円まで水準を切り下げました。日本株はこの円高に加え、AI・半導体関連株への売りが重なったと報じられており、日経平均は 9 月 3 日終値で 64,214.48 円まで 4 日続落し、前週末(8 月 28 日)と比べると▼2.19% の水準です。ただし 9 月 4 日時点では 64,950.91 円まで戻す動きも見られ、下げ一辺倒ではありません。一方、米国株は米金利の低下観測を好感し、S&P500 は 9 月 3 日時点で 7,747.71(8 月 27 日比▲0.22%)と底堅く推移しました。米 10 年国債利回りは 9 月 1〜2 日に 4.796% まで上昇して 52 週高値圏に接近したあと、ウォラー理事発言のあった 9 月 3 日には 4.762% までやや低下しています。金(先物)とビットコインも週を通じて値を上げており、円高・米金利低下という同じ材料に対して、資産ごとに違う反応が出た一週間でした。


今週の数字(2026 年 9 月 3〜4 日時点)

USD/JPY
156.33
▼8/27比▼1.88%。9/1の160.20円から数日で円が買われました(取引時間中)
日経平均
64,950.91
▼前週末(8/28)比▼2.19%。9/3終値は64,214.48円まで4日続落(取引時間中)
S&P500
7,747.71
▲8/27比▲0.22%(9/3時点、取引時間中)
米10年金利
4.762%
▲8/27比▲1.93%(9/3終値)。9/2の4.796%からやや低下
金(先物)
4,516.00
▲前週末(8/28)比▲0.85%(9/4時点、取引時間中)
ビットコイン
81,222
▲8/29比▲3.80%(9/4時点、取引時間中)。年初来では−8.46%
▲は上昇、▼は下落、→は横ばいです。2026年9月3〜4日時点(米10年金利・VIXは9/3終値、日経平均・USD/JPY・S&P500・金・ビットコインはそれぞれの記載時点で取引時間中の値)/最新値は各自確認してください

数字は丸めています。米 10 年金利・VIX 以外は取引時間中の値であり確定した終値ではありません。正確な終値と最新値は、記事末の公開情報で各自ご確認ください。


「円が急に買われた週」で崩れやすいところ

このサイトでは、通貨が短期間で大きく動いた週に崩れやすいパターンを、次の 3 つに分けて整理します。

  • 破滅型: 円高で外貨建て資産の評価額が目減りして見えた瞬間に、含み損を確定させるように売る
  • 忖度型: 「利上げ観測後退 = 株にプラス」という単純化だけで、円高が日本株の重荷になっている事実を読み飛ばす
  • 狼狽型: 数日で 3 円以上動いたという変化の速さに驚き、水準そのものより「動いたこと」に反応して行動を変える

為替は日々の値動きの中でも特に振れ幅が大きい指標です。156 円台への動きが一時的な調整なのか、傾向の転換なのかは、この記事の時点では判断できません。何もしないという技術は、通貨が動いた週にも同じように当てはまります。

3つの小屋(暖かい・冷たい・外気)が輪になって並び、人がそのあいだを歩いているイラスト。矢印が輪を描いて元の場所へ戻る
三相は、登る段ではなく、回る輪。為替・株・金利がばらばらに動いた週も、どれか一つだけを見て判断しない。

三相で見ると

冷COLD / 積立

為替や金利が数日で大きく動いた週です。円建てでつみたてを続けている人にとって、この振れは『買う対象の価格が動いただけ』であり、積立額や頻度を変える理由にはなりません。

熱HOT / 配当

円が買われた週は、外貨建て資産(米国 ETF など)を持つ人にとって、配当を円換算した金額が目減りして見える局面です。受け取った配当そのものの額(現地通貨ベース)と、円換算後の見え方を分けて記録しておくと、為替の振れに気持ちを引っ張られにくくなります。

外CHILL / 観察

指数や為替が大きく動いた週ほど、家計簿をつける手が止まりがちです。市場の記録は淡々と並べておき、家計簿は市場の振れ幅と関係なく、いつも通りのルーチンでつけておきます。


来週の論点

  • 円が 156 円台まで買われた動きが調整なのか、傾向の転換の入り口なのか
  • 日銀の利上げ観測が 9 月中にどう扱われるか、それが円相場にどう波及するか
  • AI・半導体関連株への売りが一時的な調整か、続く調整の始まりか

どれも個別判断になります。円が数日で大きく買われ、日経平均は続落、米国株・金・ビットコインは値を上げた一週間の記録を、2026 年 9 月 3〜4 日時点で置いておきます。


参考(公開情報)

本記事は情報提供であって、特定の金融商品の購入・契約を勧めるものではありません。指標は 2026 年 9 月 3〜4 日時点の公開情報に基づき、丸めた数値です。

円が数日で大きく買われた週でした。資産ごとに違う反応が出るときほど、急いで意味づけず、来週も数字を置きにいきます。